世界的に見ても長命である日本。そんな日本において、介護が必要な高齢者の数も増え続けています。
心身機能の低下によって日常生活にサポートが必要になった高齢者であっても、介護を提供する立場のスタッフは利用者本位のスタンスで支援を行う事が必要です。要介護者をただ支援を受ける受動的な立場として捉えるのではなく、高齢者一人ひとりがQOLを高めていけるような支援を行う事を忘れてはいけません。
QOLは生活の質と訳されることも多く、高齢者のQOLを高める支援ということはただ介護を受けて生きている状態ではなく、日々の生活に幸せや喜びを感じられる瞬間を見いだせる支援であるとも言えます。介護を提供するスタッフは、例え支援が必要な状態になった高齢者であっても、高齢者自身が主体性を持って日々の過ごし方を選択できるサポートを目指すことが求められるのです。
人間は一人ひとり価値観に違いがあり、何に幸せを感じるかも日々の生活で求める内容も人それぞれ違います。だからこそ、介護スタッフは利用者一人ひとりと向き合いながら何を幸せと感じるのかをアセスメントし、利用者の主観的な幸福感を満たすために個々にアプローチする事が必要になります。
介護職員は排泄や食事介助、入浴や移動介助などの直接介護を提供する事はもちろんのこと、日々の関わりの中で、利用者自身が主体性を持って喜びを感じられる環境を構築していくことも大切な仕事の一つなのです。その為にも画一的な介護を提供するのではなく、一人一人の心身状況や性格、生い立ちや人間関係なども含めたさまざまな要素を多角的に分析することが大切になります。